日々雑記

世はなべてこともなし

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最近の読書(10〜11月初め、一部抜け)

*ダイアナ・W・ジョーンズ『あたしが幽霊だった頃』
『ハウルの動く城』の作者さんやね。前評判が高い作家であるし、
タイトルが素敵なのでとても期待していたけれど、実はそれほど
面白くなかった。同じファンタジーなら
マーガレット・マーヒー『めざめれば魔女』(多少えろいが)とか
ジョナサン・キャロル『月の骨』(超落ち込むけど)の方が好みかな。
勿論、ジョーンズの作品を色々読んでみないと、彼女の作品全体は
分からないけどね。ヒットシリーズ読んでみるかな。

*谷崎潤一郎『鍵』
いやーん 性 格 わ る い !!
というのが読後の端的な感想であります。ひどーい。えげつなーい。
面白い、の種類としては、excitingよりinteresting。
悪魔的趣味とか耽美派とか言われているようですが、実は谷崎は
推理もののような作風、緻密に何かを解き明かしていく、という
ものの書き方がとっても向いているんじゃないかと思う。
つっても、こちらもあんまり読んだことない作家なんです(笑)
次は「痛そう……」と思って敬遠している”耽美派”諸作品に取り組みます。

*森博嗣『θは遊んでくれたよ』
高校時代読みまくっていたミステリ作家、のGシリーズ第二弾。
おいおい、森ってば犀川と四季でどこまで引っ張るつもりだよー、
と突っ込む気持ちは否定できませんが、それにしても面白かった。
何より文章が巧い。端的で明快で、仄かな無駄とユーモアが素敵。
このひとは職業作家の中では出色ですね。プロだわ。
それにしても唯一の難点、カウンタに持っていくのに抵抗を感じる
その恥ずかしい題名の付け方はどうにかならないかい。

*マイケル・カニンガム『THE HOURS』
V・ウルフ『ダロウェイ夫人』に捧げる渾身のパロディ、そして
映画『めぐりあう時間たち』の秀逸な原作。
もう面白すぎて、一言一文一段落が全て光を放ちすぎて、
あまりに勿体無いので読書中断して『ダロウェイ夫人』を読み直し
然る後再開しようかと思った、けど、引力に負けて無理だった(笑)
(そういえば『ダロウェイ夫人』、持ってたんだけど何処に行ったのかな)
こんな風に何もかもを詰め込めたら。全ての無駄と空振りを
凝縮した「人生」に還元できたら。これはもう、絶対買う。
映画も素晴らしいですよ。原作読んでも幻滅しないよ。

*吉行淳之介『女のかたち』
本文というかエッセイというか、のほうは、まあまあそんなもの、
なんだけど、挿絵が素晴らしい! すてき! ときめき!!
角川文庫『ドグラマグラ』の表紙の画師さん、と言って何人が
判るだろうか……。偏執的で精緻で鋭角で妖艶。画の為に買ったんだ。
そんな画師さん米倉斉加年氏は今も健在で、俳優業まっさかりだし
今日気付いたけど朝日新聞に書評まで書いてる。画風と裏腹に
精力的な彼の健康に乾杯☆ (見事なまでに吉行氏を完全無視)

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最近の読書(9月下旬)

*ちくま文庫全集 芥川龍之介<巻の五>
やっぱり六巻だったかも。とにかく「六の宮の姫君」所収の分。
「六の宮の姫君」で文章に絡め取られ、「寒さ」で共感じみた錯覚を抱き
「保吉の手帳から」の一で血の気が引いた。
天使のように優しい声で摘発したのだと主張する自己満足、
芥川ってそうとう胡乱で皮肉で繊細で傲慢で天才だと思う。惚れそう(笑)

*北村薫『六の宮の姫君』
芥川の同名短編をモチーフに、その作品の謎かけを解き明かす長編。
これを読むために上の全集借りた。結果的には、北村の『六の宮』で
言及されている芥川作品が大半読めたうえ、河童以外の芥川作品にも開眼したので
一挙両得だったんだけどね。
それはそうと、優れた本でした。卒論に取り組んでもいない文学専攻の三回生は
読んでみたら面白いし参考になると思うよ。卒論中の四回生は
落ち込むからほとぼりが醒めてからがよい(笑)
この骨子を本当に大学四年で考え出してたなんていやになります。
もちろん卒業「論文」に留まらない広がりもある。文章を通して
一方的にでなく言葉を伝達するということの光がラストシーンに見える。

*開高健『地球はグラスのふちを回る』
食と煙草と酒について。エッセイ集? そんな安易なものではない、
「越前ガニ」を読めば文筆という生業と「生」そのものに対する
筆者の矜持と執着が克明に伝わってくる。
志賀直哉の比喩を契機に展開する一編なんだけどね、
丼に山と盛られたカニの身に、「ああ」とかぶりついて「ウン」と
飲み込む野蛮な快感、人の輪から抜け寂れた旅館で啜る日本酒の麻痺効果、
酔って眺める薄暗がりにて酔いと交錯する“白い脚”への憧憬。
煙草だって、得るものがあるから吸うんですよ、我々は。

*新潮社『倉橋由美子全作品 五』
たぶんこれは五で合ってる。なんだか全集ばかり借りているな(笑)
神経に障るほどに微細な観察、周囲を突き放す知性(と呼ばれる傲慢)
なのにあっさりした結論の放棄、あるいは保留が私は好きなのであって
彼女の作品全てを大好きというわけではないのだけれど
それにしてもなんなのその思いの儘伸び縮みする言語感覚は。
『悪い夏』で描かれたMの手が執拗に頭から離れない。『共棲』もよかった。
こうやって刻み込まれた一つ一つのシーンが、気付けば本を買わせるのだな。

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最近の読書(おおむね9月上旬)

*笹野裕子『今年の夏』
詩集。粘土を捏ねるように
何度も輪郭を確かめながら
かたどられて来たのだろう、と思われる十数篇。
けれどもそれらの冒頭を飾るのは、
「言葉荒れ」した作者の指先が見えるような
「破る」という一篇である。絶対最後に書いただろうこれ。

*ブラッドベリ『何かが道をやってくる』
まとまりあるエピソードの積み重ねに近い形式のせいか
結構な長さがあるのに長編という印象は残らない。
言葉は鮮やかに像を結ぶが、彼の短編が持っている鋭さ、
読み手の両足を大地から切り離してしまう風圧はない。
私が短編的味わいを期待しすぎて物足りなかったんだろう。
映画にしたら結構感動すると思う。

*遥洋子『介護と恋愛』
軽い口当たりから始まりどんどん重みを増していく中身、
まるでおんぶお化けじゃないか!(笑)
きっぱりさっぱり取捨選択する筆者の根性がかなり好きだが
考え方に共感できるわ〜とか言って思考停止しちゃったら
私もおんぶお化けであろう。でもさ、時折の思考鈍麻が
命取りになり得る世代って結構きついね。共闘できない。

*星新一『気まぐれ指数』
うまいわ〜。かしこいわ〜このひと〜。なんだこれー。
もうエンタテイメントとしては言うことないし、しかも
こんなに無駄がなくて整然としてるのに、
彼の長編は、映画よりも芝居にしたいと思わせる立体感がある。
独特の明晰さと温かみ。彼には後継者なんて必要ない。

*谷村志穂・飛田和緒『お買い物日記』
一つのものを真剣に選んで買って愛でるというのは
たのしいですよね。このひとら、かわいい。
遙洋子〜この本までの三冊は、府立中央図書館で
一気読みしたんだけど、こういう系統ばらっばらな本を
くじ引きみたいに楽しめるのが図書館の素敵さだと思う。

*河出文庫『文豪ミステリー傑作選』
志賀直哉「氾の犯罪」芥川「開化の殺人」とか、わりと
有名どころを妥当に集めた感じで、妥当に面白い。
妥当なんていうと失礼ですけどね。昔の読者って羨ましいよね。
夏目漱石「趣味の遺伝」は、先生ったら結構流行に敏感だったものね☆
(イギリスで遺伝と探偵流行ったのってこの頃、よね?)
でもろまんてぃすと☆って微笑ましくなる短編ですし
『眉隠しの霊』は幻想でぼかされた情欲が生々しい。
そしてお目当てだった『サラサーテの盤』は、何がなんだか
分からないなりに読み返さずにはおれないのです。
しかし太宰と三島はイマイチだった。ファンの人ごめん。
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最近の読書(8月連休+α)

*小川洋子『物語の役割』
自己を塑型し、運営していく装置としての
物語分析が面白かったかな。ホロコースト文学とかそういうの。
ただし、最近よく思うことだけれど、
現代ではそれ以外の物語の役割が喪われてる。
(この命題については一度文章化しときたいところである)
小川さんは、小説にしろエッセイにしろ、
流行は追わないけれど時流に沿った材料を選んで話をする
傾向があると思うので、
もう一つの側面、公共性としての文学、については
触れてないんですよね。それが惜しかった。
紹介されている本は面白そう。広汎な読書って大切。

*ケメルマン『九マイルは遠すぎる』
絶版になってるあの短編連作ミステリ……!!
出会いに感動、もしたけど、そのせいじゃなくて、
面白かったですよ。テンポ良く理屈っぽく手品のように
読み手を丸め込み、論理に偏らず、おまけをつける。
骨格だけと見せかけて小細工。短編ミステリはこう在りたいよね。

*浅田次郎『シェエラザード』
この人ねー、確かに面白いんだけどー、ワンパターンなのよねー。
でもワンパターンで面白く読ませるってすごいんだけどね。
一歩間違えると思想的に危険な影響を与えるくらい
ドラマを作る術を知ってる。映画に向いてる。
だけど一冊読んだらもう半年は良いや(笑) 
単純に、何も考えないで押し流されたいとき向け。

*金井美恵子『タマや』
あーもう何が面白いか判らんけど面白い。(言語化放棄)
私ほど文章の巧い人はいない、なぞ常々仰る金井女史ですが、
そうだよそうだよ、確かに巧いよ、だから内容分析とか
取り付く島もなくてする気になれないよ、という完敗です。
そういう意味では小説の王道ですよね。ごまかし。

*寺山修司『家出ノススメ』
今まで
友人のもとに家出したり、かの人のもとに家出したり
してる場合じゃなかった。家出しよう。と思った。

*ジュンパ・ラヒリ『停電の夜に』
インド系の新人作家で、
ピュリッツァー賞とか総なめにしてるらしい。短編集。
壁が少しずつ剥がれ落ちるときのように
「彼ら」の暮らしがひび割れる様を見せられる息苦しさ、
もう嫌だなー辛いなーこれ、と思ったところで、
ひびから光が射す瞬間を描いてみせる呼吸の巧さ。
収録順を決めたのは作者ではないだろうけど、うまいこと
並べてる。作品への愛を感じる。
最後の短編「三番目で最後の大陸」に凝縮された
人間の活力がまぶしいです。タイミングや偶然はあるにしても
生きていくのは自分しかいない、って扇動される。
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最近の読書(七月之一)

*ダイ・シージエ『バルザックと中国の小さなお針子』
下放されちゃった青年二人の恋と青春と書物愛のお話。
焚書実行した奴なんて呪われればいいんだとか
この世から書物が消えたら衰弱死するとか
受け狙い抜き本気で思っている同志は気に入ると思うよ。
なんか作者さんが映画監督なんだって。それ故かは不明だが
場面転換、展開の仕方がテンポよく、絵になる場面もありで
楽しく一時間半くらいで読めます。表紙もかわいい。

*北村薫『ニッポン硬貨の謎』
こちらはエラリー・クイーン愛。でも北村薫氏が書いたので
エラリーファンじゃなくても充分面白く読める。
(彼はそういう偏狭なことをしないのである。信頼)
トリックというか、後期クイーン的であるらしい
抽象的な動機付けは好みの別れるところだけども。お題が
お題であるだけに仕方ないか。細かいことは解説参照。

*若竹七海『閉ざされた夏』
上の北村薫の本を読んで作者に興味持って買った。
理由書くのは面倒だから上の本の解説参照だってば。
んー、まあ、ミステリとしてそれなりなんだけど、
読み返したくなる余韻には欠けるね。救いのない深刻さが
心理の見せ所、みたいなミステリは好みじゃないの。
だから北村薫に傾倒してるんですけどね。

*アシモフ『小悪魔アザゼル18の物語』
いわゆる「かわいい悪女」の小悪魔じゃないよ。文字通り
小さい悪魔アザゼルが登場する短編集。
惜しげもなく連発されるアイデアは
安っぽいチューインガムみたいに原色で舌を刺すが
構成が洗練されてるので面白い面白い。わざとらしい皮肉や
悪ふざけが大丈夫ならば一読の価値ある娯楽だぜ。
ただし、本の裏表紙に書いている紹介文は的外れすぎて
興ざめである。ああいうのを陳腐って言うんだ。

*村上春樹『回転木馬のデッドヒート』
何度も繰り返し呼んでいるけれど、読み返すたびに
心に残る短編も印象に残るフレーズも変わる。
今回は『タクシーに乗った男』、彼女のこの言葉、
『私の言うsympathyとは、同情でも共感でもなく、
 二人の人間がある種の哀しみを分かち合うことです。
 おわかりになりますか?』 もちろん。

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お久しぶりの読書感想文。えらくカジュアルな口調で。
久しぶりなのでまるで時間に余裕が出来たみたいに見えますが
実はそのー、なんだ、今やってる通信教育からの逃避です
進まない。興味がないから進まない。(五七五)
うーんいい加減区切りつけて寝る準備しなきゃ。明日は否応なくやってくるのにー。
でもこのだらだらしたノリ、遅々として進まない学習、本来の目的と別の目的で
叩かれるキーボード、無駄に見ちゃったネットの履歴、ほのかな焦燥、は
なんだか卒論書いてた頃を思い出して楽しいです。やっぱりいいですね、
何かを学ぶということは。
(うーんちょっと論点ずれてるよ?)(ちょっとかあ?)

**

それでもいい加減に区切りつけます。まだ月曜日なんだもの〜。
明るい夏期休暇に向かって!!

**

追伸。
このテンプレート、コメント欄のデザインがかわいい! ということに
今プレビュー見て気付きました。こんな辺境で使うの申し訳ないなあ(笑)
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あひみての のちのこころにくらぶれば

(出会う前の私の心の、なんと平穏だったことでしょう)

**

今日、シスコに行く前の打ち合わせを終えて、帰り道。
私が大学生活四年間でたくさんの諭吉さんを送り込んだ
愛しの古本屋・天地書房へ、お目当ての本を探しに行ってみたところ。

あったんですよ。
『チボー家の人びと』1〜5巻が!
ちゃんとちゃんと、黄色い表紙の箱装丁で!!

一ヶ月くらい前かな、友人に借りたまんが
高野史子の『黄色い本』に胸きゅんした私は、
題にもなってる「黄色い本」(=『チボー家の人びと』)を
ぜひ一度読んでみたいものだわあ……☆ と
切望していたわけですよ。できればハードカバーで。
そして今、目の前にあるいいかんじに古びた黄色い表紙、
五冊まとめて千円という破格のお値段、
でも今日の自分はクラッチと頼まれたお使い品で両手が一杯、
忘れちゃならないのは収納しきれない蔵書に溢れ返った部屋、
このうえ箱入りハード五冊を持って帰った日には
シスコに行ってる十日の間に強制撤去されかねない

取り置きしてもらえないのかな……!!

とまで考えて、実際打診してみたんですけど、
一週間くらいが限度です……(本屋のポリシーとして)、
というお答えに涙を呑みました。そうだよね。一期一会だものね。

**

そのあとK屋書店に林芙美子の『放浪記』を求めに行くも
タッチの差で品切れ、じゃあ森茉莉『贅沢貧乏』か
長野まゆみ『上海少年』でいいよと思ったら二つともない、
ブルータスおまえもか! と口走りながらA屋書店に出向き
無事『放浪記』を購入しました。我ながらすごい執念。
なんかもう、本のことになると 足、悪かったっけ……?
と思うような移動距離と立ち時間をこなしてしまいます。
あとでぐったりするんですけどね! してますけどね!

**

あーあ。しかし今日は儘ならぬご縁の日だった……。
兵糧攻めってこういうことなのか。手にいれたったけど。執念で。
『放浪記』はシスコのお供に持って行きます〜。分厚いから長持ち(笑)
あとは、これを出発前に読みきってしまわないようにすること
が課題です。。

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と、いうわけで、明後日に発つサンフランシスコ旅行の準備をしております。
衣類や生活用品はもう詰め終えたんですが、いつもながら悩むのが、
どの本を持っていくか という取捨選択! 何度やっても慣れないんですよね!!
今回は十日間なので、理想を言えば5冊ほど携帯したいところですが、
友人と一緒するというのにそれは失礼だし、第一荷物になります。
で、二冊という枠を決めて、一冊は村上春樹の『回転木馬のデッドヒート』に
しようかな、と最愛の作家さんを選んで(そうじゃないと決まらないんです)、
残り一冊が決まらない。潔くて端正な日本語で、読んだことない作品を
購入しようと思い立ち、ミクシの文芸コミュニティを検索しまくって
タイトルが旅にぴったりな、林芙美子にしたのでした。
まさかこんなに購入に苦労するとは思いませんでしたが……!!

明後日出発、帰国するのは19日です。
帰ってきたあとは怒涛のスケジュールですよう。診察卒業式ミュージカル研修!!
シスコで思いっきり羽を伸ばして、でも体調を整えるよう注意しながら
学生生活の締めくくりをしてきたいと思います☆

出発前にもう一度日記、書けたらいいな☆(弱気な!)
ではでは〜。
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最近の読書(二月後半)

*餞雪漫『左耳』
ものすごい泥沼の若者恋愛群像劇でした。どろどろだったよ。
タイトルから勝手に小川洋子系統の身体象徴化文学を
予期していたんだけれどもね。。どろどろだったよ。
日本語じゃあ絶対に読まない作風だよなあ、と思いつつ
実は結構のめりこんでしまったのは秘密!
外国語で読むと、飛ばし読みという高度な芸当はできぬので
ひとつひとつの表現を丹念に読まざるを得なくなり
結果感情移入しやすくなるのではと推測してみた。
ん、おもしろかったです。

*江国香織『東京タワー』
今まで読んだ江国さんの作品は
「帰り着く場所」をテーマにしている、というイメージが
強かったのだけれど、これはどちらかといえば
「否応なく出発していく」物語かな。って。
登場人物に感情移入はしないけど、理解はできる。
でもなあ、やっぱりハッピーエンドだとは思えないのよね。
どうしても破局の予感がする。私が歪んでるの?(笑)

*坂口安吾『白痴』
『いずこへ』で語られた生のプライドと、
『青鬼の褌を洗う女』で描かれた麻薬のような女、
二つのイメージから垣間見える生へのスタンスの矛盾具合に
たいへん興味をひかれるのです。どういう脳内してたの安吾。
んー、表題作はね、男の妄想がぶっちぎりすぎてて
読んでて冷静になってしまうので(笑)、淋しかったですが。
それにしたって文体が素敵。漢字カタカナひらがなの配分まで素敵。
つい音読したくなる……太宰治も音読したくなる。同質の魅力を感じます。

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遊びほうけていたのであまり読めませんでした。しょんぼり。
今はオースターを読み返しつつ
会社から送られてきた課題図書に目を通しつつ
でもそんなことより、ああ、源氏物語読みたい!
という衝動に駆られています。
何しろ家系図書けるくらい好きでしたから、源氏☆
光源氏(初代)は甲斐性も行動力も情もあるので私は評価しています。
薫はいまいち。煮え切らなさ過ぎるから。
でも真面目に選ぶとすれば朱雀院、華はなくとも品と常識がある、
って、まあ、そんなこともどうでもよくって、
やっぱり原文で読みたいのですが、文庫サイズで原文で
注釈とかがうるさすぎないなんていう都合の良い版は存在するのでしょうか。。

サークルの卒業制作がかけません。やばいやばい。
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最近の読書(一月後半、二月前半)

*クリスティ『おしどり探偵』:ぼちぼち。
*奥田英郎『町長選挙』:ドラマにしたら面白いかもね。

*江国香織『薔薇の木 枇杷の木 檸檬の木』
「帰属する場所」の話なのだろうなあ。家(home)の持つ
拘束力とか包容力とか、まあそういうことを考えました。
淡々と読めば良いと思うよ。解釈する類の小説ではない。

*デュラス『愛人』
正直わかんなかったわ……内容がどうとか以前に、
文体についていけない私、読解力がないんですよう。はい。
あとは火花のように始まる恋愛に馴染めない(くなった)のが
読めなかった原因でしょうか。詩としてなら読める。
序盤で主人公が語る、「男の視線が女を女にするのだ」
それから「女は自意識と思い込みで女になる」みたいな
言説は面白かった。一面の真実。

*文芸春秋編『昭和のエンターテイメント50編』(上)
1920年代モダニズムと共に隆盛した、エログロで
無邪気なホラー、ミステリが私は大好きなんですけど
(例:乱歩、夢野久作)
その系譜に連なる短編がごっそり入ってて、楽しかったー。
京極夏彦の『魍魎の匣』は『押絵と旅する男』への
オマージュに違いないと思ふ。徳川夢声の短編でね、
探偵が『車六家々』(しゃろくいえいえ→シャーロック・ホームズ)
と名付けられてたことに爆笑しました、素敵なセンス!
機会があれば下も読もう。

*D・フランシス『度胸』『大穴』『利腕』
三冊まとめて一日で読んだよ。
仕事も女も失った男が事件を解決するうちに
男としてのプライドなんかも取り戻していくという構成が
正しくハードボイルドでした。うん、面白かった。
特に感銘を受けたりはしないのだけど、
ときどき無性にこの手の小説が読みたくなるのね〜。
正義と悪がすっぱり分かれてるのがいいのかしらね!
展開が速くて、悪役が情け容赦なく破滅するあたりが
特徴かと思います。ストーリーに身をまかせて読める。

*金井美恵子『文章教室』
ロマンティックラブイデオロギーを疑問視するみなさんは
一度読んでみたら良いと思う。この小説、ロマンティックラブ
を忠実に再現してるようでいて、すっげえ茶化してる、よ!
文章は上手です。でも自分で上手って言ってるあたりが
鼻につきます(笑) 現代だと保坂和志に近いかしら。
珈琲を手元に置いて、ゆっくり読むのがいいでしょう。

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この一ヶ月は結構読めました。ここの日記を書く時間を読書に充てたとも言える(笑)
最近はアンソロジーがお気に入りです。特定の作家の全集ではなくて、
あるテーマに沿って色んな作家の色んな短編を集めたもの、ね。
学生でいられる残り時間が少なくなってきたので、なるべく幅広い読書をしたい
という焦りが出てきてるのかも……。純文学も読むのに気合いがいるので
今のうちに読んでおきたいところですね。

>私信;翔君へ(反転させて読んでください)

メール頂きました! ありがとうございます〜
そんでお返事しようと思ってるのですが、
ただいま自宅パソがネットに繋ぎにくくなっており
落ち着いてメールが書けない状況です…… 
一週間ほどで接続できると思いますが、
気長にお待ちください;


ではでは!
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最近の読書(一月前半)


このタイトルで日記書くの何ヶ月ぶりだろう……!!
読書氷河期を乗り越え、卒論を提出し、
一週間でまんがを入れると10冊読みました。余は満足である。
ずっと読書日記書きます〜とか言って さっぱり書いてなかった
のですが、今日こそは有言実行にできるわけです(もう遅い?)

いつものごとく、ミクシから転記です。

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*サリンジャー『キャッチャー・イン・ザ・ライ』
ホールデンを「潔癖で過敏でマトモな少年」と読むか
「虚言癖があり神経質で危うい少年」と読むかで
ぜんぜん違った小説になりますね。今回は後者で読んで
怖くなった。虚言の塗り重ねって痛々しいけど、
個人的に、気持ちはわかる……んですよね。(何だと)
この話を語ってるとき(つまり冒頭のシーン)で
彼が精神病院にいるという解釈は、たぶん正しい。

*北村薫『水に眠る』
ショートショートに近い短編集。ちょっと意表をつくような
世界の設定があったり、ね。長編とか、円紫師匠と私シリーズには
珍しいタイプのシニカルな短編も入ってたりして新鮮。
なんにしても文章がお上手なのです。日本語が美しいのです。
最初はさらっと流し読んで「……イマイチ?」と思っても
二度目に読むと「私の読解力が至りませんで申し訳ござらん!」
ろいう気にさせられます。でも読みやすいのよ。
北村さんなら、あんまり本読まない人にも
「お勧め作家」(お勧めの小説、ではなく全体的に)として
紹介できると思う。全体的に良質ってほんとにすごい。

*江戸川乱歩『孤島の鬼』
んー、まあ、M上先生がおっしゃったように
「現代でおおっぴらに売り出すには倫理面に問題がある」
作品ですよね☆(笑) 差別的表現も頻出するし。
ただ、作品をいくつか読んでて思うのだけど、
乱歩自身は同性愛とか奇形(この表現もアウトなの?)に
うまれついた人間とかを差別する気はなくって、
どちらかといえば親しみを持っていたような気がする……。
小説としてのストーリーは面白かったです☆
謎の全貌が見えてくるまでの部分は、今読んでも新しい。
結末になだれ込む辺りはお約束なので、紋切り型を
楽しめるか否かで評価が分かれるんじゃないかと。

*ちくまの森 文学全集『からだの発見』
「身体」というものをテーマに、古今東西の短編を
一冊に集めたアンソロジー。めちゃくちゃ面白かったよ。
収録されてる短編が本当に多様で、最初の五つだけ並べてみても、
堀辰雄(日本)→中井英夫(日本、『虚無への供物』の人だね)
→カフカ(ドイツ)→カルヴィーノ(キューバ)→エーメ(フランス)
とまあ、脈絡がどこにもない。芥川とかポーとかも入ってるよ。
翻訳も上手だし、あー、おなかいっぱい。
色んな作家の選り抜きを読めるっていいよね。
この全集、ほかに「恋は気まぐれ」(爆笑)とか「どこか遠くへ」とか
色んなテーマがあるので、読んでみようと思います☆

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今日は友人と、映画「マリーアントワネット」を観に行きました。
後半がちょっと急ぎ足すぎる感があるのと、ラストがえっ、そこで終わり? と思いましたが、
マリーがすっごい可愛く描かれてるので、うきうきできる映画としては素敵です☆
宮廷内の泥沼愛憎劇とか、そういう重たい部分は徹底的に切られてるので。
最初の場面がいいんですよ。自堕落に寝そべって、足の手入れをさせながら
ケーキの生クリームを指で掬って、高く結い上げた頭を反らして舐め取る、あの驕慢さ!
でも全然いやみじゃないんです。やっぱりかわいい、うん、よかった。
ケーキは勿論ホールですよ(笑) 私、あれ一度やってみたいなあ……☆

帰りにまた古本屋で二冊購入してしまいました……もう本棚も新しい本棚を置く場所も
どこにもないのに! 余裕ないのに!!
とうとう机上にまで積読開始でしょうか。はは(乾いた笑い)
しかしまあ、はい、しあわせではあります。今夜も読書しながら寝落ちます。良い夢見れそう!

ではでは*
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最近の読書(8月中旬)


*森茉莉『甘い蜜の部屋/恋人たちの森』
甘い蜜の部屋の林作パパにめろめろ(笑)
源氏の再来だよ、このひと。。社会的には
かなりの駄目人間だけど、精神的な淫蕩ってのは
たしかに楽しいに違いない。モイラはやりすぎだけどね!
ごてごてした技巧に頼らない美文も上質。
ただしラストは「もう書くの飽きた」空気が行間から
滲み出ていて、たいへん切ない。結末自体は文句ないけど
あれだけ緻密に書いたんだから、もう一息がんばって
ほしかったなあ。恋人たちの森は甘いお菓子レベル。

*宮部みゆき『ブレイブ・ストーリー』
ここ二年ほど比喩と修飾語に満ち満ちた彼女の文体の
押し付けがましさ(失礼)にぐったりして敬遠してたが
なるほど、こういう映像的でいかにもストーリー・テリング
な小説にはぴったりだね! 嫌味じゃなくてね!!
何も考えずに物語に身を任せるって快楽なんだよ。
リラックスして読めた。面白かったですー☆
私はワタル父嫌いじゃないなあ。ワタルへの接し方も
正直でまっとうだと思うんだけども。どうだ。

*ヘンリー・ジェイムズ『ねじの回転/デイジー・ミラー』
デイジー、いらいらするよ……! この手の文学の
「純粋無垢でさえあれば多少頭が空っぽでもよい」みたいな
女の捉え方はまったく性に合いません! つまんない女!!
『ねじの回転』のほうはちょっと面白かったけども
ヴィクトリア朝の小説だけあって仄めかし多すぎて読み取れないし
(ある女性が男と付き合っててある日突然実家に帰って死ぬ
 =女性は妊娠していてお産で死んだっぽい、とか)
主人公の女教師の飛躍とヒステリーに満ち満ちた思考回路が
作者の計算ずくだと分かってても、慣れるまで苛々した。
私は家庭教師の妄想説に一票ですね。怪談にしちゃ粗末すぎないか?
それともこの本を楽しみきれないのは私の読解力が
まだまだ足りないせいか。確かに足りないけども。

*村上春樹・柴田元幸『翻訳夜話2 サリンジャー戦記』
私が愛してる作家・村上春樹と
その腕を信頼してる翻訳家・柴田さんの二人が
彼らの好きな小説『ライ麦畑』について
心行くまで対談したものの収録編、愉しくないわけがない。
感覚がしっくりしてる人の話を聞くと癒されますね!!
これ読んで春樹訳の『キャッチャー・イン・ザ・ライ』を
読みたくなって素直に買った(笑)
いつもなら原作を読まずに対談読むなんてことはしないけど
この二人ならねー。私とずれた先入観を持つ心配ないもの。
たいへんよろしい。翻訳夜話1とあわせて買おうかな。

*サリンジャー著・村上春樹訳『キャッチャー・イン・ザ・ライ』
こういう事件らしい事件が起こらない一人称を
延々と書いて、どこから見ても立派な小説にしちゃうあたりが
サリンジャーの天才ぶりなんだよな。まったくもう。
感想書くのが難しいけど読み返すのが楽しい本だ。
原文で読んでみようかな。難しいかな。
サリンジャーが文章を発表しなくなっちゃったのが
非常に非常に惜しいです。もったいなすぎる。

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狂ったように読むと宣言した割りにそうでもないですね。。
宣言すると実現しない、ていうお約束を忠実に踏襲してるのでしょうか。
だからって「あんまり読まない」といってみたらば
本当に読めなくなる予感がするのは私だけでしょうか、いや違う(反語)
本を読む時間とやる気はあっても、仕入れに行くタイミングがないんですよねー。

今日は夕方からお出かけして、心斎橋そごうにて
サリナ・ジョーンズという女性ジャズシンガーのライヴを聴いてきます。
楽しみ! ですがチケットが異様に安かったのが気になる……。
CDがなかなか素敵だっただけに、実はもう声が出ないから安かった、とかだと
たいへんうらぶれた気持ちになりそうです。あ、この「うらぶれた」という表現は
春樹訳の『キャッチャー』(と略してくれと春樹が言っていた)の中で
ホールデン君が多用しているものです。いいなあ。ふたりとも。

ではでは、また!
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